2006年7月30日
花火師の演出
夏の風物詩と言えば花火。今日は隅田川花火大会が行われる日。なのですが!実はその影でもう一つの花火大会が行われていたのです。それは「浦安納涼花火大会」。「それは千葉県民のための地方の花火大会であって、隅田川花火大会と比べるとショボいんじゃないか」と思われるかもしれません。かつて僕もそう思っていました。花火の玉数からして隅田川は2万発、浦安は8千発。しかし花火は玉数で決まるものではないのです。
一昨年、僕はこの花火大会を取材で訪れました。取材対象はこの花火大会の主催者の「鍵屋」です。美しい花火が上がったとき、かけ声としてよく聞く「たまやー!かぎやー!」の鍵屋です。鍵屋は江戸時代の初期に生まれ、その後、鍵屋の優秀な職人がのれん分けしてもらい玉屋が生まれました。のちに玉屋は江戸で火事を起こしてしまったため廃業に追い込まれましたが、鍵屋は今にいたるまで脈々とその技術を磨き続けているのです。鍵屋が主催する花火大会は毎年10個もありません。関東では浦安だけなのです。
しかしたとえ鍵屋だからと言って、花火を上げるだけなのに何か他と違いがあるのかという疑問もあるかと思いますが、これが全く違うのですよ。花火師というのは言ってみれば演出家なのです。僕は前の職場で「テレビ番組」の演出を行っていましたが、そのとき視聴者のリアクションを想像しながら各カットの長さを決め、時には感動を誘うために絶妙な「間」を入れたりという演出を行ってしました。花火師もこれと全く同じなのです。美しいものをより引き立てるための順番の組み立て、感動をより深くするための絶妙な「間」の取り方、そういったものの一つひとつが鍵屋は最高にうまいのです。鍵屋の花火は一昨年の浦安花火大会で初めて見たのですが、これまで見たどの花火大会とも違うもので、あまりの感動に涙すら流してしまいそうになったくらいです。
ということで今日はその浦安花火大会を見に行きました。この花火大会は毎年、隅田川花火大会と同じ日に開催されます。注目度で言えば隅田川の方が高いので、多くの人はそちらに流れます。そのため、浦安の方は意外と空いていて、かなりゆっくり花火を見ることができます。花火大会の開始は19:30。僕は16:30ぐらいにゴザを片手に会場へ到着。メイン会場はだだっ広い芝生の広場なのですが、既にブルーシートが一面に張り巡らされていました。しかしよくよく見るとシートとシートの間にけっこうなスキマがあります。その中でも打ち上げ場所に近いところを選び、すんなりと場所を確保できてしまいました。
そして19:30、いよいよ花火大会が始まりました。写真を撮りまくりながら見ていたのですが、やはりすごいものはすごい。時にあまりの感動でシャッターを押す指が止まるほどでした。しかもすごくいい場所を確保できていたので、花火の一発一発が腹にズンズン響いてきます。
花火の撮影は今回が初めてということもあり、かなり難航しましたが、とりあえずいろんなバリエーションの写真を撮ってみました。この写真は花火大会終了間際のクライマックスの一コマです。あまりにも素晴らしい花火で写真どころではないといった状態だったのですが、そんな中でもなんとか撮影に成功した一枚です。
来年以降もこの時期に「花火を見たい!」という衝動にかられると思いますが、そのときは隅田川ではなく、やはり浦安を選んでしまうと思います。それぐらい素晴らしい花火を見せてもらうことができました。
アップロード日時 : 2006年7月30日 01:07 撮影場所 : [ 千葉 ]
地図
撮影詳細情報
撮影情報 | |
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撮影場所 | 浦安市 高須海浜公園 第28回浦安市納涼花火大会 |
撮影日時 | 2006年7月29日 20:50 |
カメラ情報 | |
カメラ | Canon EOS 20D |
フォーマットサイズ | APS-C |
ISO感度 | 100 |
露出プログラム | 絞り優先AE |
露出補正 | -1/3EV |
露出時間 | 2秒 |
レンズ情報 | |
レンズ | EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM |
焦点距離 | 10mm |
絞り | f/5.0 |
コメント
すごいすごい!感動が伝わってくるよ!
やっぱり花火はすばらしい日本の伝統だね。
私の祖母から、小さい頃花火師の話を聞いたよ。
花火師は火の粉で顔を洗いながら、花火の下に立ってるんだよって。
一瞬だけ開く花のために、どれほどの情熱をかたむけ、技術を重ねていったのか。
本当にすばらしい感動をもらえるよね。
子連れで花火大会は無理なので(自殺行為)もうちょっと大きくなったら行きたいわー。うちから近いのは亀岡平和祭花火大会か。
投稿者 ぺろたん : 2006年7月30日 16:38
いやー、喜んでもらえて嬉しいよ。花火ってホントにいい伝統だよね。そして花火師。一瞬で消えていくためのものに全精力をかたむけて取り組むその姿勢に日本的な美意識を感じるんだよね。
ちなみに亀岡の花火大会って大学時代に行ったよ。最初はあまり期待してなかったんだけど、想像以上にすごくてかなり楽しめる大会だったよ。子どもが大きくなったらぜひぜひ連れて行ってあげなよ。
投稿者 コーヒー : 2006年7月31日 01:04