街角散歩

« 河川敷の早咲き桜 | メイン | レンズの探求 »

2011年3月28日

道具としてのカメラ

道具としてのカメラ

今年に入ってからブログ全体のリニューアルを実施。各エントリの下部に「撮影詳細情報」モジュールを掲載するようにしました。このモジュールに表示している、撮影に使用したカメラ機種名の欄を見て気づいた方がいるかもしれせんが、実は今年の1月末に新しいカメラを購入して、けっこうな頻度で使用しています。僕のメインカメラは「Canon EOS 5D」ですが、今年に入ってからの3か月に限って言うと、明らかに新しいカメラの方が稼動しています。

新しく買ったカメラは「EPSON R-D1」です。もちろん中古です。思い起こせば2006年、実はこの機種の改良版「EPSON R-D1s」というカメラを持っていた時期があります。当時R-D1sを手に入れるまではキヤノンのカメラしか使ったことがなかったのですが、初めて手にするR-D1s、撮影した写真を見たときには衝撃が走ったのを今でも鮮明に覚えています。

R-D1sの衝撃を語ったエントリ - 「新境地の開拓」2006年10月30日
EPSON R-D1sで撮影した写真

このカメラを使って数々の写真を撮影しました。僕がこれまであらゆるカメラであらゆる場所を撮影してきた何十万枚の写真の中で、最も閲覧数が多くレスポンスが多い写真も、実はこのカメラで撮影されたものなのです。

これまで最も注目された写真 - 2006年12月12日

ただ、このカメラは事情があって2007年中旬に売却してしまって、それ以来R-D1シリーズから遠ざかっていました。それがなぜ売却から4年も経過した今になって再び同じような機種を買い戻すことになったのか。それには以下3つの理由があります。

・軽いカメラが欲しかった
・かつてこのカメラを使って感じた驚きをもう一度味わいたかった
・偶然安く売っているのを見つけた

3つ並列で書いてしまいましたが、中でも一番大きな要因は「軽いカメラが欲しかった」の部分。というのも僕自身、昨年末から大きく体調を崩し、日常生活すらままならない時期がしばらく続きました。その後容態はそれなりによくなりはしたものの、未だ不安定な要素を残している状態。できるだけ身体に負担をかけないような生活をおくる必要がありました。

そんな中でも写真は生きがいみたいなものなので、今まで通りとは言わないまでも多少は写真を撮りに出かけたいもの。しかしながら僕のメインカメラのEOS 5Dはかなり大きく重いため、ちょっと負担が大きいのです。サブカメラとして使っているCONTAX N DIGITALは多少軽いものの、やっぱりそれなりに重量があります。

ということで身体に負担のかからない軽いカメラを買おうと思い立ったのです。最初は「RICHO GR DIGITAL」や「SIGMA DP1」みたいな高画質コンパクトデジカメを検討しました。これらは評判はとてもよく、作例などを見ても申し分ないクオリティなのですが、いかんせん僕自身の撮影パターンとして35mm / 50mm / 200mmの3つぐらいの焦点距離をよく使います。となると単一焦点距離のカメラだとちょっとつらいわけです。

次に検討したのが今流行のミラーレス一眼デジカメ。Panasonicやオリンパスなどのマイクロフォーサーズ機種。もしくはSONYのNEX-5など。いずれも画質のよさ、軽さともに要求を満たしてくれる存在でした。ただ、それでもちょっとひっかかる点がありました。画質と重量というミニマムリクワイヤメントは満たしているもののアドオン要素が全くないのです。アドオン要素とはハードによらないソフト領域。道具として使うことによる満足感みたいなものがいまいち感じられなかったのです。

そこでふと思い出したのがEPSON R-D1だったのです。かつて使っていたカメラなので使い勝手はしっかり覚えていますし、使用感も抜群です。単純な使い勝手という意味ではミラーレス一眼デジカメに軍配が上がります。むしろR-D1は一眼レフではなくレンジファインダーなので、使い勝手だけで比較すると当然のことながら劣ります。しかし道具として使うことによる満足感はダントツR-D1の方が高く、使い勝手の悪さを補って余りあります。

ということでターゲットはレンジファインダーデジカメに絞られました。R-D1だけでなく、あえてレンジファインダーデジカメとしたのは、一応もうひとつ比較対象になった機種があるからです。それはライカMシリーズ。現行機種のM9は安くても70万円ぐらい。そもそも検討の余地すらありません。しかし一世代前のM8は一時期よりもだいぶ値段が落ちて、中古では場合によっては手の届かない存在ではなくなっていたのです。

ということでR-D1とM8をひたすら探しまくったのですが、その結果、やっぱりM8は諦めました。一時期より安くなったとは言え、程度の悪い中古でもまだまだ数十万円はします。さすがに触手をのばすわけにはいかず、結果的にR-D1だけに絞られました。ということでR-D1を探していると、偶然にも想像以上に安く出品されている一品を発見。「時節来たり!」と、思いきって購入してしまいました。

R-D1は解像度が600万画素しかありません。もしかしたら今のケータイカメラよりも画素数は少ないかもしれません。しかし個人的にはデジタルカメラの画素なんて600万画素もあれば十分です。いまサブで使ってるCONTAX N DIGITALも600万画素ですが、なんら不満はありません。R-D1、N DIGITALともに、このカメラでしか表現できない独特な「写り」をアウトプットしてくれます。今回久しぶりに手にしたR-D1ですが、何しろ軽いため、とにかく持ち出して何気ない風景を撮りまくっています。そして撮影した結果は期待通りのものでした。

もしお時間あれば、この本文の下の方にある「撮影詳細情報」のカメラ機種名の部分をクリックしてみてください。このカメラで撮影した写真の一覧が表示されます。写真を見ていただくと、他のカメラで撮影した写真とけっこう違いがあることを感じていただけるのではないかと思います。

例えば今日の写真。これは東急田園都市線二子玉川駅の東口につい最近完成した「二子玉川ライズ」のショッピングセンターを撮影したもの。クッキリシャープな写りと、淡くはかない色彩がこのカメラの特徴です。

アップロード日時 : 2011年3月28日 00:00    撮影場所 : [ 世田谷区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 二子玉川ライズ ショッピングセンター
撮影日時 2011年3月26日 13:46
カメラ情報
カメラ EPSON R-D1
フォーマットサイズ APS-C
ISO感度 200
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 ±0EV
露出時間 1/181秒
レンズ情報
レンズ Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 SC
焦点距離 35mm
絞り f/8.0

コメントを投稿

ATOM ATOM rss1.0 rss2.0