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2011年3月29日
レンズの探求
昨日のエントリで「新しいカメラを買いました」と宣言した翌日にも関わらず、今日もさらに新しいカメラの話です。話はちょっとさかのぼりますが、実は先日、しれっと1枚の写真をアップしてたのです。
・しれっとアップした写真 - 「葉のない枝先」
ページ下部の「撮影詳細情報」欄に見慣れないカメラの名前と「フィルム」という項目があります。見ての通りなわけですが、この写真はフィルムカメラで撮影しました。人から借りたカメラではなく、自分自身でフィルムカメラを購入したのです。
事の発端は今年の1月に「EPSON R-D1」を購入したときにさかのぼります。R-D1を買ったはいいけれど、レンズがないと意味がありません。R-D1のセンサーはAPS-Cサイズなので、フィルムカメラを比べると画角が1.53倍になります。そこで標準画角のレンズとして35mmのレンズを購入しました。
かつてR-D1sを使っていたときも、種類こそ違えど、今回同様35mmのレンズ1本のみしかレンズを持っていませんでした。どちらのレンズもそれはそれで大変素晴らしく、写りのクオリティにも満足しています。しかしながらさすがに標準レンズ1本だけではいろいろ限界を感じることも多く、ちょっと広角の28mmあたり、またはちょっと望遠の50mmあたりのレンズも使ってみたくなったのです。
しかしながらレンズというのは値がはるもの。普通に現行商品のレンズは安いものだとしても、それなりのお値段だったりします。ということで中古で安いものがないか物色してみることに。R-D1はライカMマウントと互換なので、まずはライカのレンズを探してみました。ライカと言えば世界中のカメラの中でトップクラスのブランドです。現行のレンズが高いのは知っていたのですが、中古だったら多少安くなっているものもあるんじゃないかと思い、ウェブだったり実店舗だったりで値段を調べまわってみました。ところが全く安くない。むしろプレミアがついて高くなってるものすらある状態です。ライカLマウントのレンズについても同様の状況でした。ということでライカのレンズのことは忘れることにしました。
ちなみにライカMマウント、Lマウントともにライカ以外のメーカーもレンズを作っているわけですが、いずれもそれほど安くないのです。ということでR-D1にそのまま装着できるレンズはあきらめて、マウントアダプタに活路を見出すことにしました。マウントアダプタを介することで別のカメラ用に作られたいろんなマウントのレンズを使うことができるようになります。しかしながらマウントの種類は数限りなくあります。どのマウントのレンズがいいのか予備知識が全くなかったので、この機会に中古カメラ屋あたりで物色しまくってみました。
すると「M42マウント」と「エギザクタマウント」のレンズがなんとなく豊富であることがわかりました。どちらにしようか考えたときに、どちらのマウントも手持ちのR-D1にマウントアダプタを介して装着できるのですが、もうひとつの手持ちカメラ「EOS 5D」には仮にマウントアダプタを介したとしてもM42のレンズしか装着できないことがわかりました。厳密にはエギザクタマウントをEOSで使うマウントアダプタは存在するのですが、無限遠のピントが合わないものが多いらしく、使うのにけっこう苦労するらしいのです。せっかくレンズを買うんだったらR-D1だけじゃなくEOSでも使えた方がいい。ということでM42だとどちらのマウントでも普通に使えそうだということで「M42-ライカM」「M42-EF」のマウントアダプタをそれぞれ購入しました。
今日のこの写真で使っている「PENTACON auto 50mm F1.8 MULTI COATING」というレンズはその時に購入したもの。旧東ドイツで1971年に発売されたものレンズ。40年ほど前のレンズなのに現代でも十分に通用するクオリティです。こんなレンズがたった数千円で買えました。これが現行商品だったら軽く10倍ぐらいの値段はついているんじゃないかと思います。
M42のレンズを使うと決めたからには、そもそもM42マウントにどういうレンズライナップがあるか気になるもの。ということでウェブでいろいろ調べてみたところ、そもそもM42は一時期世界中のいろんなカメラで広く採用されていたマウントであり、このマウントのレンズは極めて種類が豊富だとのこと。膨大なレンズは値段もクオリティもピンキリ。フランスのAngenieuxみたいに10万円を超えるようなものから1000円ぐらいで投げ売りされてるものまで千差万別。しかも安いからクオリティが低いというわけではなく、安物の中にもお宝品がたくさん眠っているというような、宝探し感あふれるレンズラインナップらしいのです。
確かに中古カメラ屋さんでM42マウントのコーナーを見ると、値段も状態も本当にマチマチで、何がなにやらサッパリわからなかったりします。それにしてもマウントアダプタのメインマウントとしてM42マウントを選んだのはどうやら正解だったらしいです。適当に選んだつもりが、うまいこと王道中の王道を選んでいたようです。
この後、まだカメラの話、フィルムの話と書き続けようと思っていたのですが、何も考えず、思うがままつらつらと文章を書いていたら劇的に長くなってしまいました。続きは明日以降に持ち越します。
ということで今日はフィルムカメラで撮影した豪徳寺の墓地エリアの写真をアップ。新しい機材をゲットしたときは、シェイクダウンとして豪徳寺を訪れることが多いのですが、今回も例にもれず豪徳寺で試し撮りしまくってみました。フィルムカメラの操作はまだまだ慣れないところが多く、1枚撮影するにもけっこう時間がかかります。その一方でデジタルカメラにはない緊張感があり、撮っていてとても楽しいです。今後もいろんな場所でいろんな写真を撮りまくって、フィルムによる表現スキルを磨いていこうと思っています。
アップロード日時 : 2011年3月29日 00:01 撮影場所 : [ 世田谷区 ]
地図
撮影詳細情報
撮影情報 | |
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撮影場所 | 豪徳寺 墓地の一角 |
撮影日時 | 2011年3月18日 17:00 |
カメラ情報 | |
カメラ | ZEISS IKON Icarex 35 CS TM |
フィルム | FUJICHROME PROVIA 100F |
フォーマットサイズ | 35mm |
ISO感度 | 100 |
露出時間 | 1/60秒 |
レンズ情報 | |
レンズ | PENTACON auto 50mm F1.8 MULTI COATING |
焦点距離 | 50mm |
絞り | f/16 |