街角散歩

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2006年5月29日

空気感の伝え方

空気感の伝え方

ここのところ、撮影に出ようと思ってもどこに行くかでかなり悩みます。元々自分の記憶の中で「ここに行きたい!」と思っていたポイントはもはや行き尽くしてしまった感が出てきてしまいました。みなさんお勧めの場所がありましたらぜひぜひ教えてください。

ということでどこに出かけるか悩んだ結果、今日は木場にある東京都現代美術館へ行ってきました。そもそも美術館に行きたかったわけではないのです。ただ、現代美術館は建物自体が興味深い作りをしているため、美術館の「建物」を撮りに行くのが主目的だったのです。そうは言っても美術館を訪れて中を見ないで帰るのもいかがなものかと思われるので、ちゃんと中も見てきました。今日は「カルティエ現代美術財団コレクション展」という特別展が行われていました。何のことやら全くわからず、予備知識ゼロの状態で中に入ってみました。元々、何も期待するものなく入ってみたのですが、実はこれがおもしろいのなんのって、かなり印象的な内容でした。そもそも僕は芸術に関してはとってもうとい人間です。名画と呼ばれるものでも知らないものだらけだったりします。いや、興味を持とうとしたことは過去何度もあるのですが、どうしても頭に入ってこないのですよ。しかしいわゆる現代芸術に関しては話が違います。これといって詳しいわけではないのですが、見ていて感じ入るものが多いのですよ。今回の展覧会も非常に素晴らしいものでした。

展覧会では国内外いろんな芸術家の作品が展示されていたのですが、ヒジョーに印象的だったのは写真館の川内倫子さんの展示でした。暗室の中、プロジェクターで写真をスライドショーのように次々と表示しているだけのですが、その写真がすごく印象的だったのです。日常の何気ない風景なのですが、それがすごく印象的でついつい引き込まれてしまうのです。僕は写真を撮るとき、シャープでクッキリ、鮮やかな感じに仕上げます。でも川内さんの写真はどこかボンヤリしていて、淡い色遣いなのです。それが昭和のノスタルジーのような、何やら懐かしい空気感を作り出しているのです。こういうタイプの写真ってどうやって前々から憧れてはいたのですが、どうやって撮ったらいいかイマイチわからないのですよ。いや、ただ単純にボンヤリ淡い写真を撮るのは簡単ですよ。撮影後にレタッチできますし、そもそもロモやホルガといった最近はやりのトイカメラを使えば撮れるんでしょうけれど、でも空気感の作り方まではマネできないと思うのです。被写体となっている人物との距離感の近さなのか、それとも写っている場への思い入れなのか、写真のキーとなる部分の組み立て方がどうしてもわからないのです。まぁ、そこがプロたるゆえんなのでしょうね。

しかしその写真が目指す意図のようなものは学ばせてもらいました。今後いろんな場所でいろんな街角風景を撮影するとき、かなり参考になりそうな気がしています。とは言ってもおそらく単純に「ボンヤリ」「淡い」写真は撮らないと思います。多分僕なりの「シャープ」で「クッキリ」した写真を撮ると思いますが、そこに込める想いのようなものは盗ませてもらおうと思います。

ということで今日の一枚です。川内さんの写真を見ていると、ふと今回アップしている写真のような構図が頭に浮かんできました。そこでイメージに最も近い場所を探してとりあえず撮影してみたのがこの写真です。美術館の隣にある木場公園で撮影しました。

それにしても、やっぱりちゃんとした写真を撮ろうと思うのならば、いろんな写真を見ておかなきゃダメですね。それなりにはいろんな作品を見たつもりでいたのですが、川内さんの作品はこれまで全く見たことがありませんでした。いろんなカメラマンのいろんな作品を見て、そこから何を感じ、何を得るのか。そういう段階を踏むことによってはじめて自分自身の腕前が上達していくんでしょうね。なんとなくそんな気がしました。

アップロード日時 : 2006年5月29日 01:19    撮影場所 : [ 江東区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 木場公園
撮影日時 2006年5月28日 17:05
カメラ情報
カメラ Canon EOS 20D
フォーマットサイズ APS-C
ISO感度 100
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 -1/3EV
露出時間 1/400秒
レンズ情報
レンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
焦点距離 13mm
絞り f/5.0

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