シリーズ「宵」-宵闇の終わり-

この写真は見ての通り渋谷のスクランブル交差点。昼間から渋谷を撮影してまわり、夕方になったところでいったん休憩。そして陽が暮れたところで交差点のすみっこの、車道の脇ギリギリのところでカメラをセット。空の色がなくなるかなくならないかのギリギリのタイミングを待ちかまえて撮影したものです。これがもうちょっと後の時間だったら空は真っ暗。逆にもっと早い時間だったら街の風景は空の明るさを浴びているので、このように夜景と全く同じ光の具合にはならないんですよ。僕は普段、街中をブラブラ歩いていて、目に飛び込んできた光景を反射的に写真におさめるという撮影スタイルなのですが、このときは珍しく撮りたい写真のイメージが先にかたまっていて、そのタイミングを狙って撮影してみました。渋谷のような都会の中を歩いているとつい視線は下方向に向きがちですが、あえて上の方を見てみると、普段見慣れた風景がまるで違う世界のように見えるものです。