2006年11月24日
重要文化財に潜入
ここのところ頻繁に本郷を訪れている気がするのですが、今日も行ってきました。本郷に行くと、ついつい東京大学のキャンパスの中をウロウロしてしまいます。今日は夜の東大キャンパスを歩いたのですが、洋風建築物を白熱灯のオレンジの光が照らし、まるでどこかの外国の街を歩いているかのような気がしてしまいます。
キャンパスの中をウロウロしていると、安田講堂の入り口横に「なぜ鏡の中では左右が反対に見えるのか?」という看板が掲げられていました。謎なタイトルの講演会ですが、とりあえず安田講堂が開いているのをあまり見たことがないので、今日はドサクサにまぎれて中に入ってみることにしました。
さすがに重要文化財に指定されているだけあって、安田講堂の中はかなり荘厳な雰囲気。講堂の中をのぞいてみると、少数の人たちが真剣な面持ちで講演を聴いていました。鏡が左右逆に見えることについての講演、多少興味はあったのですが、勝手に潜入してしまうわけにはいかないので、そっと講堂から離れました。
今日の写真は安田講堂2階の廊下を撮影したものです。どこにでもありそうな廊下かもしれませんが、安田講堂の廊下だと思うと、ちょっと特別に感じてしまいます。このあたりは見る人の認識次第かもしれません。ちなみに!講堂で行われていた「なぜ鏡の中では左右が反対に見えるのか?」というタイトルの講演について、家に帰ってきたあともけっこう気になっていて、ついつい調べてしまいました。すると日本認知科学会という学会が主催している公開シンポジウムだということがわかりました。シンポジウムの案内文はけっこう興味深いものだったので、ここに転載してみます。
↓引用ココカラ(引用元 http://www.jcss.gr.jp/symposium/2006.html)
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討論者
小亀 淳(東京大学名誉教授)(原子核物理学)
多幡 達夫(大阪府立大学名誉教授)(放射線物理学)
高野 陽太郎(東京大学教授)(認知心理学)
「鏡の中では、上下は反対に見えないのに、左右が反対に見えるのは何故か?」
これが「鏡像問題」です。光学的には、鏡は上下も左右も反転しません。にもかかわらず、「左右が反対に見える」のは何故か、という問題です。この問題は、プラトン以来、二千数百年に渡って議論がなされてきたにもかかわらず、未だに定説がありません。学術雑誌でこの問題の解答を提案した物理学者2名と心理学者1名が、それぞれの解答を説明します。さらに、互いの解答に対する質問と批判を述べ、各々がそれに回答します。こうした討論を通じて、鏡像問題の解決を目指すのが、このシンポジウムの目的です。討論者だけではなく、認知科学会の会員、一般参加者も質疑応答・討論に参加することができます。
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↑引用ココマデ
・・・ということなのですが、すごくおもしろそうです。こんなことなら僕も参加すればよかったとちょっと後悔してしまいました。鏡の像の見え方なんて、普段は何一つ疑問を持たないものなんですが、確かによくよく考えてみたら不思議なものです。こういう身近な不思議についてパネリストがどういう見解を示したのか興味津々です。原子核物理学者と放射線物理学者がどのような視点で認知学について語るのかも興味あります。どこかで講演の議事録か何かがアップされてないものですかね?こういう講演の様子はさすがにYouTubeなんかにアップされないでしょうねぇ。
アップロード日時 : 2006年11月24日 02:15 撮影場所 : [ 文京区 ]
地図
撮影詳細情報
撮影情報 | |
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撮影場所 | 東京大学本郷キャンパス 安田講堂 |
撮影日時 | 2006年11月23日 17:21 |
カメラ情報 | |
カメラ | EPSON R-D1s |
フォーマットサイズ | APS-C |
ISO感度 | 200 |
露出プログラム | 絞り優先AE |
露出補正 | ±0EV |
露出時間 | 4.595秒 |
レンズ情報 | |
レンズ | Voigtlander ULTRON 35mm F1.7 Aspherical BlackPaint |
焦点距離 | 35mm |
絞り | f/4.0 |
コメント
ご引用の討論会で話をしました一人です。その後、同じ3人で同趣旨の誌上討論をしたものが、シンポジウムを主催した認知科学会の論文誌に掲載されました。ご興味があれば、別刷りをお送りいたします。
投稿者 多幡達夫 : 2008年12月 8日 15:42
>多幡様
ブログへのコメントありがとうございます。まさかご本人から
コメントいただけるとは思ってもおらず、大変嬉しく思っております。
討論の内容、とても興味あります。ぜひ論文誌拝見したいです。
私より大学の方へ一度お手紙お送りさせていただければと思います。
お手数おかけして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
投稿者 コーヒー : 2008年12月 9日 23:48
私のコメントへのお返事を、いまようやく拝見しました。大学へお手紙とのことですが、私は定年退職して大学へは行っていませんので、お手紙をいただくならば、自宅宛でとなります。まずメールをいただければ幸いです。
投稿者 多幡達夫 : 2009年11月 1日 08:51