2007年2月 4日
やわらかな窓灯
今日訪れたのは大徳寺。北大路通り沿いにあるこの寺、その存在は昔から知っていたのですが、これまで訪れる機会がなく今に至っています。いろんなガイド本、写真集で頻繁に「大徳寺」という名前を見ることからかなり気になる存在ではありました。
実際に訪れてみて驚かされたのは敷地の広さ。中にはたくさんの院、庵が点在していて、その一つ一つが独立した存在として方丈、庭園などを完備していました。院や庵はその全てが一般公開されているわけではなく、半分以上が非公開となっていました。そこでとりあえず一般公開しているところをしらみつぶしにまわってみました。
そのようにして大徳寺の中をグルグルまわっているとき、時に強く心を打たれる瞬間がありました。それがこの写真です。興臨院という場所へ入ったときのこと。入口で拝観料を払い、靴を脱いで中へ入っていきます。何気なく本堂の横にある枯山水の庭園に向かって歩いているとき、ふと廊下の途中にある小部屋の様子が目に飛び込んできたのです。
小部屋の中には何もなく、座布団が数枚敷かれているだけの質素な部屋でした。その部屋の片隅に何気なく一輪挿しが置かれていたのです。横にある障子を通り越してくる太陽の光が一輪挿しのまわりに微妙な陰影を作っていました。この光景を見た瞬間、ハッと息を飲むような衝撃を受けました。質素、シンプル。しかしなぜか深く心を打つものがそこにはありました。一輪挿しの形状や色調、生けられた花の種類、斜めに差し込んでくるやわらかな太陽の光。どれをとっても非の打ち所がない、すばらしい空間でした。
こんな部屋が特に何の案内もなく、なにげなく廊下の片隅にあったりするわけです。これだから京都の寺院は油断なりません。
アップロード日時 : 2007年2月 4日 19:41 撮影場所 : [ 京都 ]
地図
撮影詳細情報
撮影情報 | |
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撮影場所 | 大徳寺 興臨院 |
撮影日時 | 2007年2月 4日 12:56 |
カメラ情報 | |
カメラ | Canon EOS 20D |
フォーマットサイズ | APS-C |
ISO感度 | 100 |
露出プログラム | 絞り優先AE |
露出補正 | -1/3EV |
露出時間 | 1/400秒 |
レンズ情報 | |
レンズ | EF24-70mm F2.8L USM |
焦点距離 | 48mm |
絞り | f/2.8 |