嗅覚の記憶

商店街を歩いていると、ふと何やら懐かしい匂いがただよってきました。何の匂いだったか考えながら歩いていると、目の前に飛び込んできたのは蚊取り線香。夏といえば蚊取り線香。毎年夏になるとほぼフルタイム蚊取り線香が焚かれていたものです。ところが、いつのころからか蚊取り線香の姿を見なくなりました。おそらくベープマットのような無煙無臭のものが世に広がって、蚊取り線香は徐々にその数を減らしていったのではないかと思われます。ただ、人の記憶とは不思議なもので「匂い」の記憶というは強烈に残っているもの。今でも蚊取り線香の匂いをかぐと、無意識に「夏」の記憶が蘇ってきます。