街角散歩

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2008年4月 7日

最後のサクラ色

最後のサクラ色

今日は僕のフォトライフにおいて、ひとつ大きな変化がありました。...ともったいぶるほどのことでもないのですが、カメラを買い換えたのです。これまで使っていたのはキヤノンのEOS 20Dというカメラ。今日買ったのは同じくキヤノンのEOS 5Dというカメラです。

という感じで、カメラの話題で文章をスタートしましたが、そもそも僕が好きなのは写真を撮ることであって、率直な話、カメラなんて実は何でもいいんです。僕がカメラに求めているのは、頭の中に思い描いた表現を実現できる「表現力」です。望遠や広角といった画角的な部分はレンズを買えばなんとかなるのですが、ボケ具合のコントロールだけはカメラのセンサーサイズ次第。

これまで使っていた20Dは2005年8月に買ったものですが、今でもほとんど不満なく使える素晴らしいカメラでした。真夏の酷暑や真冬の極寒、梅雨の豪雨や海水飛び散る海辺など、精密機械には問題ありまくりな環境で使いまくってきましたが、全く問題なく普通に使い続けることができました。全体的に満足感の高いカメラだったのですが、こと表現力という面では、ちょっとだけ劣っている部分がありました。それがセンサーサイズ。

デジタルカメラの「センサー」とはフィルムカメラで言うところの「フィルム」にあたるもの。一般的によく使われるフィルムは横幅35mmのもの。いわゆる35mmフィルムです。一般的なコンパクトデジタルカメラのセンサーサイズは豆粒ほどのサイズ。これだけ小さいサイズだと背景はほとんどボケず、しかも盛大にノイズが発生するため、作品作りには使いづらいのです。かたや昨日まで使っていた20Dはセンサーサイズが横幅22mm。コンパクトデジカメと比べるとかなり大きなサイズではあるのですが、それでもこのカメラではフィルムの表現力には追いつけない部分があるのです。そんなわけで、フィルムと同じサイズのセンサーを持つデジタルカメラを買うことにしたのです。デジタル一眼レフカメラで横幅35mmのセンサーを持つものは、ニコンとキャノンから発売されています。ニコンもキャノンも最上位機種に「完全なプロ用」として35mmセンサーを採用したカメラがありますが、どちらも値段が鬼のように高く、イチ庶民の僕には到底手が出せません。そこでキャノンのセカンドクラスのカメラで35mmのセンサーを唯一採用している5Dを買うことにしました。

新しいカメラを買うと試し撮りしたくなるもの。早速カメラ片手に写真を撮りに出かけてみました。訪れたのは松陰神社。東急世田谷線の松陰神社前駅から歩いて数分の場所にあるこの神社は、社殿、手水鉢、庵、墓、桜など、いろんなものがコンパクトにまとまっているため、試し撮りには最適なのです。そんなわけで試し撮りがてら撮影してみたのが今日の一枚。

春も半ば。サクラ舞い散る季節になってきましたが、枝から離れて地面に広がったサクラの花びらもまた印象的。神社の参道の石畳をよく見ると、石と石の間のスキマにサクラの花びらが窮屈そうにたまっていました。まだ瑞々しさを保っているこの花びらも次第に茶色く乾燥してしまうもの。考えてみたら地面に落ちた花びらで、まだサクラ色を保っていられるのは今まさにこの瞬間だけ。そう考えると、何やら不思議と切ない感覚がわき起こってきました。

アップロード日時 : 2008年4月 7日 00:16    撮影場所 : [ 世田谷区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 松陰神社 参道
撮影日時 2008年4月 6日 15:48
カメラ情報
カメラ Canon EOS 5D
フォーマットサイズ 35mm
ISO感度 100
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 -1/3EV
露出時間 1/1000秒
レンズ情報
レンズ EF17-40mm F4L USM
焦点距離 31mm
絞り f/4.0

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