裏道の思い出

かつて、といっても2001年から1年間、新宿で働いていたことがあります。当時はテレビ番組の制作会社に勤務していて、担当番組のスタッフルームが歌舞伎町の隣の新宿六丁目にあったため、毎日のように新宿へ通っていました。テレビ番組の制作というのは、よく耳にすることかもしれませんが、朝から晩まで、そのまま夜通し仕事をし続け、寝る時間なんて全くないような生活。そんな生活を新宿のスタッフルームで送っていました。ロケの仕込みや買い出しをするため、人通りの絶えない新宿の街へ繰り出すこともしばしば。楽しそうに飲んだくれている人たちを横目に、何日も風呂に入ってないきたない身体のままウロウロしていました。

そもそも毎日何かと時間がないので、外出するにしても用事を最小限に済ませ、しかも最短距離で移動するクセがついてしまいました。そんなわけで新宿はどこに何があって、どういう道を通ると早く移動できるのか完全に把握。時にはビルとビルの間の裏道みたいな場所を走り抜けたりと、まさに新宿の街を縦横無尽に移動しまくっていました。今日の写真はそんなビルとビルの谷間の裏道を撮影したもの。

新宿をテーマにしたテレビドラマや漫画などで登場しそうな場所です。北条司のシティーハンターでは、まさにこういう場所が何度も登場して、何かしら出来事の舞台となっていました。テレビの仕事から離れてもはや久しく、こういう場所を通ることはなくなってしまいましたが、先日たまたまこの道の前を通ったとき、ついつい懐かしくなってのぞき込んでみました。昼間だというのに薄暗く、新宿の歌舞伎町ということもあって多少危険な雰囲気が漂っています。ただ、それと同時に、かつて仕事が大変だった時代にこういった場所を走って駆け抜けていたことを思い出し、何やら少しだけ懐かしい感じがしてしまいました。